「持たない幸福論」という新しく世界が広がる本を借りてきました。
この本は、今日本に出回っている”常識”といったものを覆してくれるものでした。
例えば、
- 学生を卒業して就職しないと苦労する
- ちゃんと働かないと年を取った時ホームレスになるかもしれない
- ○才までに結婚して○歳までに子供を作らないと負け組
といったようなものですね。
とにかくこれらが「普通」となっている世の中。
これができないと「ダメなやつ」と言った存在になってしまう世の中になっていますよね。
これって、本当に絶対に正しいのだろうか?
と疑うことができる本だと思います。
気になったところを、少し私の感想を交えながら話していこうと思います。
社会にとって理想的な人間になれないと苦しい?
多くの人が普通にこなせないものを、普通の理想像としてしまっているからみんなその理想と現実のギャップで苦しむのだ。
そんな現状と合っていない価値観からは、逃げていいと思う。
そんな価値観に従うのは、自分で自分の首を絞めるだけだ。
私はまず、「普通の理想像が絶対!」といった考えがあったので、この文章はすごく心が楽になりました。
だって私は、そういう普通ではないから。
普通の人ができるように、就職して、結婚して…と言ったことが、私はできていない。
だから私は「普通じゃないんだ…」と、自分を責めていました。
今でも責めています…
理想の普通像のレールに外れたものは、負け組じゃないですか。
だから私は、悔しくて、悔しくて…。
頑張らなくちゃいけないのに、頑張れない自分に腹が立って。でも頑張れなくて。
頑張れたとしても、うまくいかなくて。
そんな状況に、何か違和感を感じるけど、感じることはおかしい!
そんなことを繰り返して生きて、生きて…。
しかし、この文章を読んだとたん…
もしかして、この普通の価値観は私には合ってないのでは?
と思ったのです。
「合っていないと思ってもいいんだ」と思ったんです。
絶対にこの「普通じゃないとダメだ」って思い込んでいたんだなって。
価値観は色々あっていいんだって。
それにこの価値観は、50年くらいの前のモデルを未だに引き継いでるようで。
変化の速い現代では、この生き方は合っていないんじゃないかって逆に思っています。
私らしい生き方を見つければいいんです!
逃げたっていいんです!
という選択肢を増やしてくれたと思います。
なぜ人は働くのか?
人間が人生で成し遂げられることなんて、頑張っても頑張らなくてもあまり大差ない。
何かをちょっと成し遂げたとしても、どうせ50年先にはほとんど忘れられている。
仕事のために人生があるわけじゃなくて、人生の彩りの1つとして仕事があるだけだ。
「働かない奴はダメだ!」と言った世の中になっていますが…こういった考え方もあるんだなと。
なんだか世の中「仕事をする人が無条件に偉い!」って風潮ですが、仕事はあくまで人生を彩る1つだと。
そもそも、「なぜ働いているのか?」と考えたことを、みんなあまりないんじゃないかな?
もちろん「生活のお金のため」というのが1番だと思うんですけれども…
そのお金を稼いだとしても、あればあるほど無駄に使っている人も、多くいるんじゃないかなって。
そして、仕事のストレスの発散のために、散財してしまう人も多いんじゃないかなって。
「いくらあっても足りない!!」
と言った、永久にお金を求める状態になっているんじゃないか?と思ったんです。
もっと欲しかったら、もっと働くという選択をすると思うんですけれども…
そのお金に振り回されるために働いているのか?と…
なんだかそれって、お金を求める堂々巡りな人生になっているような気がしました。
そうなると、絶対にたくさん稼がなくちゃいけないのか?
あればあるだけ使っちゃうのに?
人間は欲深いから、あればあるほど「まだまだ欲しい!」と思ってしまうのに…。
無理して過労死しちゃうなんて、悲しすぎます…。
それとも、お金ではなく、仕事に生きがいを感じているのでしょうか?
もしくは「私がここをやめたら、みんな大変だから…」って、迷惑がかかるから辞められない?
けど、意外とその人が居なくても、穴埋めって簡単にできるもんなんですよね(汗)
(実際、私もどっちの立場も経験しています)
そうなってくると、「仕事を頑張っている私って一体…」ってなってくると思うんですよ。
そんな悲しい思いで無理に仕事をするのなら…
「嫌なことをずっとやるより、好きなことをやればいい!」
といった選択肢もあるんじゃないでしょうか?
「人には働くかどうかの選ぶ権利がある」
ということを、教えてもらったような気がします。
遺伝子を残すのが人間の使命なのか?
人間の場合は、何かを伝えたいとか、残したいと思ったら、子供を作って遺伝子を残すだけではなく ミームを伝えるという方向性もあるということだ。
それは遺伝子を拡散するのと、負けず劣らず面白いことだと思うし、遺伝子を残すしかやることがない他の生き物よりも、その生でできることの幅が広がるということでもある。
だから、遺伝子を残すとことだけにこだわる必要はない。
“普通”の考えだと「家族を作って、子供を産むのが常識」になっている世の中。
私は独身なので、「そんな自分が恥ずかしい!」と思っていました。
しかし、その考え方も一方的だったんだなと。
引用で書いているミームというのは、文化の遺伝子ということらしいです。
例えば芸術家とかが作品を残すとか。
「子供を産むのはなぜか?=自分の遺伝子を残していくため」
というのが目的だと思うんですけれども…
それだけではなく、「自分の生きた証」として「何らかの形を残す」と言ったことも、遺伝子を残すと言ったことには変わりないのだと。
だから、絶対に子供で遺伝子を残すのが正解、というわけでもないんですね。
お金に縛られない考え
お金をかけなくても、日常生活の中でやりたいことや面白いことがたくさんあるし、どっちかというと、お金よりも時間の方がやりたいことを全部やるには足りない。
だから仕事かしている暇はない、というのが僕の実感だ。
「お金がないと不幸だ!」という人はたくさんいると思うけど…
あればあるほど不幸になる、という人もいる。
「いくらあっても足りない!」という不足感の不幸に。
「それだったらいっそ、ないならないで楽しく過ごせる方法はないのか?」
といった選択肢も、あるんじゃないかと思えました。
お金はあればあるほどいい?
私は、お金が大好きですが…
よく考えてみると、そんなに好きでもないのかも?と思っていたんです。
というのも、今はお金がないから「お金が大好き!」と思っているんじゃないかって。
「あればあるほど、幸せになれる!」という夢を抱いてると言うか。
もちろん、あればあるほど色々な事に使えたり、楽しめたりできます。
世の中、お金があれば解決できないことがないんじゃないか?って言うほど。
けどよく考えてみれば…
必要最低限あれば、いいんじゃないかな?って思ったんですね。
「お金をたくさん手に入れるために、たくさん働く!」って言うのも…なんだか悲しい。
そもそも私は、働くことが好きではない。
それなら、あまり働かず楽しめた方がいいな?って思ったんです。
(「やりがいがある!やってて楽しい!」という仕事なら、話は変わってくるかもだけど…)
お金と時間どちらが大事?
お金も大切だけど、それ以上に時間の方が大切なんじゃないか?って思ったんですね。
お金がたくさんあれば嬉しいけど、時間がないのはもっと悲しいって思ったんですよ。
よくいるじゃないですか?たくさんお金を稼いでいるけど、遊んでいる時間がないって。
それって幸せなのかな?って思ったんですよ。
もちろん、「稼ぐ事自体が楽しい!」というのなら別ですけれども…
お金をたくさん入れて、幸せな思いをするために一生懸命働いているのに、使う時間がないというのは…
本末転倒なんじゃないかな?って。
これは、人それぞれの考えだけど、私はそれって幸せじゃないかも?って思ったんです。
お金はあればあるほどいいけど、「あればあるほどいい!!」という考えに縛られてしまう。
お金に振り回される人生って、こういうことなのかも?と思ったのでした。
おわりに
この本を読んでみて、お金・家族・時間についてたくさん考えさせられました。
世の中の常識ではうまく適応できない私だけれども…それでもいいんだよって。
「こういう選択肢もあるんだよ」と、とても心が楽になりました。
この本の最初に、
知識は人を自由にする。
いろんな本を読んで、世界にはいろんな価値観や生き方があると知ることができて、自分の生き方にある程度自信を持てるようになった。
本を読むことで、僕は生きるのが楽になった。
と書かれているんですけれど…この言葉いいなと思ったんです。
確かに、結婚できないと!就職できないと!っていう考えだけに固執してしまうと、世界が狭くなってしまう。
- 結婚できなくても、いろんな生き方がある!
- 就職できなくても、いろんな稼ぐ方法がある!
と言った、1つの考えに固執せず、それ以外の生き方はないのか?という疑問を投げかけると…世界が広まる。
本を読むと、色々な人の世界観が見えるので、自分の首を絞める必要性がなくなってくる。
そういうことなんじゃないかなって思いました。
みんな(意識低い)本も読もう!
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